デザイン業界とIT業界とコピペ

投稿日:2019年04月15日 08時21分01秒

佐野氏が作成した五輪エンブレムのデザインが問題になってます。
内容的にタイポグラフィはアルファベット26文字しかないので、ある程度似たものになるのはわかる。しかしそうであれば最初から他の路線を探すべきで、業界の論理を振りかざすならば業界自体が誰かのイノベーションによって天地が入れ替わっちゃうだろうなという話をします。
 IT業界でも、もはやアルゴリズムは先端業務以外重要視されていません。古くからプログラムやってる人はアルゴリズム辞典を持ってると思いますが今の時代はネットから該当部分をコピペすればモノは出来上がる時代です。ITでは要求仕様があって、それを満たせば仕事にはなるので受託開発業務はそれが許されてしまってるのが現状です。
 しかし製品であれば、ライセンスは厳密であることが要求されます。特にゲームデザインなどは真似すると叩かれます。IT側の論理では手法は同じなんだけど使用する言語も違うし、構成も違うよとか昔は通用した言い訳もありました。しかし今は製品ではそれは許されないでしょう。
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 それは倫理が向上してとかではなくて単にIT技術者が増えて買い手市場になったからです。内部的にどこそこの特許を使って構築するとかはあるでしょうが、今やライブラリから該当するものを選択して終わりです。デザイン業界のコピペと似てますね。
その元となるライブラリは基本的なものは購入が当たり前です。またはコストを抑えたいなら商用利用が許可されているライブラリが利用されるでしょう。
 今回デザイン業界が犯した最も大きな間違いはデザインは意外と意匠を真似して作ってることを露わにしてしまったことです。
 クラウドやオープンソースといった便利なツールを使えば誰でもそれなりのデザインは出来てしまい、かつ評価されることが分かってしまいました。
 主婦や学生等時間に余裕がある人が客観的に見て良いデザインを作成する事は難しくないこと、すなわちデザイナーの神格化を崩壊させてしまったのです。

 よって今後アマチュアのデザイナが台頭してくるでしょう。佐野氏が他で行ったようなアイデアをコピーして表面を化粧する作業は、アマチュアでも可能になっています。莫大ではない報酬でこれを実施するアマチュアデザイナと莫大な報酬を求めるプロデザイナーの差別化が出来なければ現在のデザイナーは没落するしかありません。

 これは予想ではなくてかつてIT業界であったことです。神格化されたプログラマがちょちょいと仕事すればお金になった時期は過ぎ、そんなにレベルが高くないプログラマを数集めたほうが仕事になることがわかったからです。

 自分の業界の常識は、それが隠されているから有効です。残念ながらデザイン業界はその秘密を解き明かすパンドラの箱を開けてしまったと言わざるをえません。

 力のあるデザイナーさんは、今こそデザインのイノベーションを行わなくてはなりません。そうしないと冬の時代はどんどん近づいてくるでしょう。

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